コラムColumn
2022.03.15失敗から学ぶデータの可視化【EC物流編】
「BIツールは何が良いですか? BIツールでこんな事ができますか?」
EC物流のお客様からデータの可視化の件で良くあるご質問です。
BIツールの広告において、今すぐ試してみる! 誰でも使える!の広告のコピーワードが散見されているので、ツール先行導入に関する質問が多くなっていると感じでいます。
本来、BIツールの導入は、業務の効率化のためのデータ分析や、売上アップのためのデータ分析などを目的としており、意思決定に使えないデータを可視化しても意味はありません。
例えば、通販業の場合、1日の出荷量の最大化を目的とする場合は、現状の出荷業務である納品書印刷、配送伝票印刷、ピッキング、検品、梱包などの業務プロセスを可視化し、ボトルネックとなっている作業工程を明確にする必要があります。
その場合、分析したいデータをどの様に取得出来るのか、データベースに必要なデータは全て揃っているのか? が最初の作業となります。
物流業務ではハンディーターミナル、タブレットが使われることが多く、比較的に必要なデータを揃える事が可能です。
1 納品書、出荷指示書、配送伝票の印刷開始時間、終了時間、印刷枚数
2 ピッキング開始時の出荷指示書をスキャン時間
3 目的の棚でピッキング&検品の為に商品をスキャン時間
4 梱包の為に出荷ステージに到達した時間
5 返品業務に掛かっている人数、時間
上記の作業が操作履歴がとしてデータベースに保存出来ている場合は、
1 ピッキングの経路、順番が悪いのか? → (ピッキングの経路の最適化)
2 同じ商品が繰り返しピッキングされていないか? → (商品単位の一括ピッキング変更を検討)
3 ピッキング作業者別のピッキング時間の把握 → (業務の平準化)
4 各作業毎の業務バランスの把握 → (業務の平準化)
などを可視化する事は可能で、何が問題で出荷量を増やせないのかを把握する事ができます。
必要なデータが取得出来る状態になってから、BIツールを導入する事をお勧めします。
また、自社開発の在庫管理、倉庫管理システムの場合、可視化に必要なデータを揃えることは可能ですが
SaaSベンダーの在庫管理、倉庫管理のサービスの場合、必要なデータが無い場合や、BIツールの接続コネクタでアクセスできない場合が多いので注意が必要です。